–四柱推命の基本、大自然の視点-

はじめに
「陰陽五行(いんようごぎょう)」って聞くと、ちょっと怪しい?むずかしそうな言葉に聞こえるかもしれません。
でも実はすごくシンプルで、わたしたちの生活にすでにある感覚なんです。
四柱推命も、この陰陽五行を土台にしています。
陰陽五行とひとまとまりにして聞くことが多いですが、
「陰陽論」と「五行説」を組み合わせたものです。
それぞれについて簡単に解説してみますね!(実際はめちゃ奥深いのですが、初見で深すぎるときっとこのブログをそっと閉じる気がする…)
陰陽論 とは?
この世界のすべては「陰」と「陽」の2つの性質でできている、という考え方です。
かなり昔、おそらく紀元前541年ごろ(遠い昔すぎて想像もつかん…)には存在していた考え方だと言われています。
ごちゃごちゃの混沌が、だんだんと陰と陽に別れていき….
この図!太極図のように陰陽が分かれていきました。
完全に分離することもできず、溶け合うこともできない、表裏一体として万物の中に存在するーー

日常の中で感じる陰陽
陰陽論の中にもさらに陰陽互根、転化、消長、制約、可分・・・等、細いパターンがありますが、そこは専門的すぎるので(^^;;
日常で分かりやすい例を書きますと・・・・
陰陽例えば昼と夜のように二つの相反するものが、混ざることなく、昼、夜、昼、夜、と入れ替わりながら繰り返し、陰陽のバランスを保っているようなイメージ。
季節の変化で感じるならば、日が暮れるのが最も早い『冬至』が陰が極まった状態。
そこを境に、また陽が長くなり、陽の気が増えていき『夏至』で陽が極まる、そしてまた冬至に向けて陰が増えていく…
このように万物は陰陽を繰り返し、そのバランスを保つように絶えず循環している。そんな考え方です。
ちなみに、基本変化はゆっくりと。パキッとは変化せず、ゆったりとグラデーションのように。
陰と陽の例
- 陰→ 夜、白、冬、明、女、静か、冷たい、受け身、休む、
- 陽 → 昼、黒、夏、暗、男、動く、あたたかい、積極的、活動 など
陰陽はどちらが良いとか悪いではなく、両方あってひとつ。
陰がなければ陽は存在できず、陽がなければ陰も存在できません。
切り離せない関係だからこそ、バランスが大事なんです。
五行説 とは?
もうひとつの考え方が「五行説」。
自然界は「木・火・土・金・水」という5つの元素から成り立ち、それぞれがお互いに影響しあいながら循環していると考えます。陰陽論より後に生まれたと言われます。

様々なことをこの五行に当てはめていくことができるのですが、その一例を書いてみますね!
- 木 → 植物、春、成長、上へ伸びる 🌱
- 火 → 明るいものや熱いもの、夏、情熱、燃える、上昇する 🔥
- 土 → 実り、土用、安定、生み出す、貯める、育む 🌾
- 金 → 岩石や鉱石、秋、硬い、まとめる、整える ⚔️
- 水 → 水、雨、流れるもの、冬、柔軟さ、下に向かって流れる 💧
このように、五行は自然界にある木や水などで表されますが、単に木そのものでなく、それらが持っている根源の特徴やエネルギーに沿って、この世界の様々なものが五行に分けられます。(五色・五季・五感五情・五味・五徳・五穀・・・などなど)
五行の関係
この五行には「相生(生む・力を与える)」「相剋(ぶつかり合う)」「比和(似ている・勢いづける)」という関係があります。

図解にはないですが、「比和(似ている・勢いづける)」は木ー木、火ー火 の様に同じ五行の関係で、多少その五行の力が強まるイメージです。
👉 ここでポイント!
相生だから必ず良い、相剋だから必ず悪い…ではありません。
どちらの関係にもプラスとマイナスの面があって、結局は「どうバランスをとるか」が大事なんです。
例えば、水と木は相生の関係で一見良さそうですが、水も与え過ぎれば木は根腐れします。
もう一つ、木にとって金は相剋の関係なので、一見悪そうです。しかし、繁りすぎて風通しの悪い木ならば、金属のハサミで少し剪定してあげた方がイキイキと元気になることがあります。
相生相剋の単純な関係性でなくて、バランスが大事、という意味が なんとなくイメージできましたか?
暮らしの中の陰陽五行
「陰陽論」と「五行説」を組み合わせた『陰陽五行』
陰陽五行は私たちの暮らしのあちこちに息づいています。
陰が極まる冬至、陽が極まる夏至・・・
春は木の五行、夏は土の五行、秋は金の五行、冬は水の五行、土用は土の五行・・・
恵方巻きの食べる方角も毎年の陰陽五行から・・・
怒りの感情は木の五行、苦味の味覚は火の五行、黄色は土の五行、アクセサリーは金の五行、睡眠は水の五行・・・
お正月や節分などの季節の行事、暦、季節の移ろい…。
「なんとなく季節や自然を感じること」が、すでに陰陽五行の世界観なんです。
日々の中で感じる感情、味覚、色彩やファッション、インテリア、行動などにも五行が隠れています。
そう捉えられるようになると、私は学ぶというより「感じる」レベルでこの感覚がスッと入ってきました。
四柱推命と陰陽五行
昔、四柱推命を研究していた人たちは、実際に自然の中に出てその景色そのものから学んだといわれています。山や川、花や木、雨の日や雪の日、太陽や焚き火の炎、岩や石ころ….その中に何かの答えを見つけたのかもしれません。
人もそんな大自然の一部。
陰陽五行は自然の哲学と言えるような存在で、人間もその一部なんだ、とシンプルに感じさせてくれます。
ilo.iloの四柱推命は「命式とその人を単純な良し悪しではなく、大自然として見る」そのことを何よりも大切に考えています。
まとめ
陰陽五行は、むずかしい理論じゃなく「自然をどう眺めるか、感じるか」という視点に近いと考えると、身近に感じますよね。
四柱推命はその大自然を眺めるような穏やかな視点を、人の生まれ持った命式(めいしき)に重ねていく。そしてそこにある自然をよりよく整えるお手伝いをしていく。
そんな感じかな、と思って向き合っています。

ilo.ilo/izu
👉次回からは、陰陽五行との結びつきも深く、四柱推命に欠かせない、いやむしろ何よりもその理解が大切。と言われる「十干」と「十二支」について紹介していきますね!
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